
インタラクティブ・ブローカーズ証券(Interactive Brokers LLC)は世界中の金融商品に投資することができるアメリカの証券会社のひとつです。海外証券会社ということもあり、国内の証券会社に比べ、口座開設や入金手続きに少しハードル高い印象があります。自分も口座開設しましたが、結構難しいと感じたため、その手順をまとめてみました。
インタラクティブ・ブローカーズ証券とは?
インタラクティブ・ブローカーズ証券(IB証券)はナスダックに上場しているアメリカの証券会社のひとつで、世界中の金融商品に投資することができます。
米国のみならず世界中で事業を展開しており、日本にも現地法人を有しています。日本では国内上場金融商品取引用口座(IBSJ口座)と海外上場金融商品取引用口座(IBLLC口座)を開設することができます。
国内上場金融商品取引用口座(IBSJ口座) は国内商品のみを扱う一般口座であるため、日本に住んでいる限りは開設のメリットはありません。一方で、海外上場金融商品取引用口座(IBLLC口座)は世界中の様々な金融商品に投資することができます。
インタラクティブ・ブローカーズ証券のメリット
1.豊富な取引銘柄
インタラクティブ・ブローカーズ証券は下記リンクに示すように、 楽天証券、SBI証券、マネックス証券などのオンライン証券では取引できないような世界中の様々な金融商品を扱うことができます。特に私は米国株の取引銘柄拡大を目的に使用しています。海外証券ということもあり取り扱い銘柄数が圧倒的です。
詳しい金融商品はリンクを参照 インタラクティブ・ブローカーズ証券:金融商品
2.個別銘柄のオプション取引ができる
アップルやアマゾンなど個別株のオプション取引を行うことができます。
3.手数料が安い
米国株取引の場合、国内ネット証券も約定金額の0.45%、最低$0からと非常に低コストになりましたが、インタラクティブ・ブローカーズ証券は$1/取引であり、約$220以上の取引をする場合はこちらのほうが安く取引できます。
4.日本語で問い合わせができる
多くの海外証券は日本語のHPがなく、問い合わせも英語でする必要がありますが、IB証券は国内法人を有しており、日本語での対応が可能です。
5.DRIP(配当金の再投資)ができる
設定しておくだけで、自動で配当金の再投資ができるため、長期保有銘柄についてはほったらかし投資が可能です。特に米国株は年4回配当が多いため、便利な機能です。
インタラクティブ・ブローカーズ証券のデメリット
1.特定口座に対応していない
ただし、外国株に投資する場合、特定口座であっても、通常は配当金に対する外国税額控除をするための確定申告をすることになるため、手間はそれほどではないと思います。
2.日本の証券会社ほどサービス(使いやすさ)が行き届いていない
要するに口座開設、入金処理が難しく、始めるためのハードルは高いです。
3.口座維持手数料がかかる
保有口座にもよりますが、今回開設するであろう口座は月10ドルの口座維持手数料がかかります。なお、取引手数料を払った場合、その金額分は差し引かれるため、10ドル以上の手数料を払った月は口座維持手数料はかかりません。
口座開設手順
ここから、口座開設手順について説明します。基本的な開設の流れは日本の証券会社での開設と同じで、オンライン上で完結できます。
HPから口座開設
IB証券のHPにアクセスし、画面右上の「口座開設」メニューから「個人投資家およびトレーダー」を選択します。

” 新規口座開設のご案内 ”というページが表示されるので、 ” 口座開設にあたっての留意点 ”に記載の注意事項を確認し、「上記を確認して口座開設を進める場合はこちら」をクリックします。

メールアドレスとパスワードの登録
通常の証券会社の口座開設と同様に、登録するメールアドレス、ユーザーネーム:ログインID、パスワードを設定し、右下の ” 保存して次に進む “ をクリックします。

登録したメールアドレスに認証メールが届くため、” 口座を承認する ”をクリックし、手続きを進めます。

申込み口座の選択

” 申込口座の選択 ” タブより申込口座を選択します。
国内口座(IBSJ口座) と 海外口座(IBLLC口座) がありますが、外国株などの取引用に申し込むのは海外口座(IBLLC口座)です。
海外口座(IBLLC口座)のみ、または国内口座(IBSJ口座)と両方申し込みを行います。
ただし、国内口座(IBSJ口座) は日本株、日経225先物、日経オプションなど国内の金融商品のみ取引可能な日本の証券会社と同様の口座のため、あえてIB証券で新規に開設する必要はないと思います。自分は海外口座(IBLLC口座)のみ開設しています。
個人情報の入力
国内の通常の証券会社の口座開設と同様に氏名、住所、マイナンバー等を入力します。
口座タイプの選択

- 口座タイプ
キャッシュ口座:現物取引のみ可能で、空売りや先物、オプション取引はできません。
マージン口座:空売りや先物、オプション取引が可能。
ポートフォリオ・マージン口座:マージン口座よりも大きなレバレッジで取引可能ですが、口座開設には110,000ドル相当の入金と、その後は100,000ドル以上の残高維持が必要です。
マージン口座とポートフォリオ・マージン口座で取引可能な金融商品に差はないため、まずはマージン口座を開設するのがよいと思います。
詳しくはリンクを参照 インタラクティブ・ブローカーズ証券:海外口座タイプ
- 基準通貨
入出金の基準となる通貨を設定します。国内から入金する場合、日本円でよいと思います。なお、為替スプレッドも国内証券より非常に小さいです。
取引金融商品を選択

取引したい金融商品を選択します。後からでも追加できますが、認証まで時間がかかるため、主要な商品はあらかじめ選択しておくことをお勧めします。
注意)通貨換算(FX)も登録しておくのをおすすめします。入金した日本円をドルなどへ両替する際はこの許可が必要です。日本円を担保にドルを借りることでトレードはできますが、金利が発生するなどのデメリットがあるため、両替しておくほうが賢明です。
あとはいくつかの証明と同意を求められるため、それぞれに選択し、最後に署名欄に自分の氏名を記入します。
本人確認書類、住所確認書類の送付
本人確認書類と住所確認書類の提出を求められます。オンライン上やメールなどで必要な書類を送付してください。

お疲れ様でした。これで口座開設手続きは完了です。
提出書類に不備がなければ数日後に本人確認用の書留が送られてきます。その後、3~10営業日後に口座開設完了のメールが届きます。
次は取引のための入金を行います。
